【柿】渋柿の樹上脱渋について
樹上脱渋のまとめ
固形アルコール、ポリ袋、輪ゴムを準備します。
9月頃に1果につき固形アルコールを1個入れたポリ袋をヘタと果実に被せ輪ゴムで口を止めます。
その後、2日程度したらポリ袋の底を切ることで完了。
樹上脱渋の詳細
一般的に、渋柿は、収穫してから渋を抜きます。
大量に渋抜きをする、例えば選果場だったら、温度と炭酸ガス(二酸化炭素のことです)を調整することで渋を抜きます。CTSDと言われる方法です。
他には、「アルコール脱渋」や「つるし柿」、お湯につける方法もあります。
しかし、これとは別に、樹になった状態で柿の渋を抜く方法があります!!
それが樹上脱渋という方法です。この方法を使うと、果肉に本来では入らないゴマ(褐斑)ができるのが特徴です。
山形県では「柿しぐれ」という名前で販売されたり、和歌山県では「紀の川柿」という名前で販売されたりしています。
以下に樹上脱渋の方法をご説明します。(一般的には平核無柿で行われていますので、平種無について記載します、他の品種でも大きくは変わらないと思いますが若干異なる場合があります、ご了承下さい)
【用意するもの】
・固形アルコール(シブトールという商品名のものがあります)
・柿の入るポリ袋(あまり薄いと破れやすいので厚さ0.03mm程度のもの)
・輪ゴム
下の画像のように準備しておくと作業が楽です
【実施時期】
・9月頃
・実施が早いほどゴマ(褐斑)が入りやすく、遅くなるほどゴマが少なくなります。
・7月下旬などの早い時期でも実施することは可能ですが、柿の肥大が悪くなります。
・10月になると汚損果といって柿の見栄えが悪くなる場合があります。
・雨が入ると渋抜きが不十分になる場合がありますので、晴れの日を選びましょう。
【方法】
1果につき固形アルコールを1個入れたポリ袋をヘタと果実に被せ輪ゴムで口を止めます。
その後、2日程度したらポリ袋の底を切ることで完了です。
袋を取ってしまうと、どれを脱渋した果実かわからなくなるので袋は残しておきましょう。
実際のところ、袋を切るまでに8時間程度の時間があれば渋抜きは行えるようです。
また、渋自体が抜けるのは、だいたい7日後以降。
ゴマが入るのは処理してから半月程度あとでそこからだんだん濃くなっていきます。
【メリット】
・ゴマがはいるので商品の差別化ができる
・収穫時期を遅くして、収穫のピークをずらすことができる
・小規模農家や、家庭菜園でも渋抜きに手軽に対応できる
・他の渋抜きの方法と比べ、日持ちが良い
ぜひ試してみてください。